【Teams踏み込み活用術】Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)を使いこなす達人のワザを紹介! この連載では、企業への導入・活用支援を手がける著者による現場の利用実態に根ざした視点から、Teamsの一歩踏み込んだ活用法を解説します。
Power Platformアプリでより高度に活用する
活用する機能:
Power Platformに複雑なコードは不要
Microsoftが提供するサービスに「Power Platform」と呼ばれるものがあります。これを使うと、各ユーザーが複雑なプログラミングコードを書くことなく、パソコンやスマートフォンで利用できるアプリや、自動連携処理、チャットボットなどを作成できます。
こうしたPower Platformで作成するアプリはTeamsからも利用できます。また、アプリをインストールしておくことで、Teams上での作成も可能です。これによってTeamsで行うことができる業務の種類も増え、より活用の幅が広がります。
本連載のワザ25で紹介した、自動連携処理を作成するPower AutomateもPower Platformの機能のひとつです。ここでは、業務アプリを作成できるPower Appsと、チャットボットを作成できるPower Virtual Agentsを紹介します。
データベースアプリをPower Appsで作る
Power Appsアプリでは、パソコンやスマートフォンで動作する業務アプリを作成できます。データベースに情報を追加して保存したり、入力されたデータを参照したりするような用途のアプリが多いです。
TeamsのPower Appsアプリで作成するとチームに紐づくので、特別な設定をしなくてもメンバーと共有できます。その分、チームが削除された場合は、作成したアプリやそのデータベースもすべて削除されるので、注意が必要です。作成したアプリは紐づけられたチームのチャネルのタブに追加でき、パソコンやスマートフォンから利用可能です。
作成した直後のアプリはテンプレートがベースになっていますが、レイアウトや機能は自由に編集できます。複雑なアプリを作ることもできますが、まずはテンプレートをもとに、データの入力や参照など、簡単な機能でできる業務からはじめてみるのがいいでしょう。
Power Appsでアプリ用のデータベースを作成すると、作成するアプリから容易にデータを入力したり参照したりできる。
作成したアプリはパソコンだけでなく、スマートフォンからも利用できる。
チャットボットを作成できるPower Virtual Agents
Power Virtual Agentsを使うと、Teams上で動作するチャットボットを作成できます。チャットボットとは、チャットに自動応答するようにプログラムされたボット(ロボット)で、ユーザーとの会話により何らかの業務を進めることができるものです。
近ごろでは、企業のホームページなどにも「何かお困りごとはありませんか?」という表示とともにチャット画面が出てくることがありますが、それもチャットボットの例です。社内の業務でも、ユーザーからの問い合わせ窓口としての利用を検討する企業が増えています。
Power Virtual Agentsアプリでは、画面上で「どのようなキーワードに反応させるか」「会話の流れはどうするか」など、会話のシナリオを定義してチャットボットを作成します。設定したキーワード以外にも、類似したキーワードをAIが自動的に判別して回答を選択するなど、高度な機能を意識することなく利用できます。
作成されたチャットボットは、Teamsのチャットで呼び出して利用します。他のユーザーと会話をするときと同じように、ボットとのチャットが可能です。
TeamsのPower Virtual Agentsで作成したチャットボットは、Power Appsのアプリと同様にチームに紐づいています。チームが削除されると作成したチャットボットも削除されるので、注意が必要です。
Power Virtual Agentsを使うと、Teams上で動作するチャットボットを作成できる。
チャットボットは❶[チャット]で呼び出して利用する。
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この連載記事は、インプレスの書籍『Microsoft Teams踏み込み活用術 達人が教える現場の実践ワザ(できるビジネス)』の内容に基づいています。紹介している情報は、書籍発行時点(2021年7月)のものです。