【Teams踏み込み活用術】Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)を使いこなす達人のワザを紹介! この連載では、企業への導入・活用支援を手がける著者による現場の利用実態に根ざした視点から、Teamsの一歩踏み込んだ活用法を解説します。
会議はチャネルで行い情報を集約する
活用する機能:
Teamsのビデオ会議はいくつか種類がある
業務のなかでも、意思決定を行ったり、課題を共有して解決策を話し合ったりする会議の役割は重要です。最近では、テレワークが増えた影響で会議のほとんどがリモートでのビデオ会議だという場合も少なくありません。ビデオ会議をするために、Teamsを使い始めたという企業も多くあります。
Teamsのビデオ会議には、チームのチャネルからはじめる会議、カレンダーからはじめる会議、グループチャットからはじめる通話の3種類があります。さらに、チャネルの会議とカレンダーの会議には、2通りの開始方法があります。以下の表は、それぞれのビデオ会議による違いをまとめたものです。
会議の種類による各機能の違い
開始方法 | チームのチャネル | カレンダー | グループチャット | ||
---|---|---|---|---|---|
スケジュール会議 | 今すぐ会議 | スケジュール会議 | 今すぐ会議 | ビデオ/音声通話 | |
作成するアプリ | Teams | Teams/Outlook | Teams | ||
カレンダーへの登録 | あり | なし | あり | なし | なし |
参加人数 | 最大1,000名 | 最大20名 | |||
チャットの保存先 | チャネル | チャット | チャット | ||
ファイルの保存先 | チャネルのファイルタブ/SharePoint Online | OneDrive for Business | OneDrive for Business | ||
ゲストユーザー | 参加できる | 参加できる | 参加できる | ||
匿名ユーザー | 参加できる | 参加できる | 参加できない | ||
チームメンバー以外 | 参加できる(チャットは利用できない) | 参加できる | 参加できる |
利用状況を見ていると、Teamsを使い始めたばかりのユーザーは、元々Outlookを利用して予定を作成することが多いため、カレンダーからはじめる会議を多く使っています。しかし、Teamsの利点を生かし、普段の会話やファイルに加えて会議の情報もチームで共有するには、チームのチャネルからはじめる会議の利用が適しています。実際、Teamsに慣れたユーザーほど、チームのチャネルからはじめる会議を利用している場合が多いです。
ここからは、それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
チームのチャネルからはじめる会議
チームに情報を集約してメンバーで共有できるという、Teamsの特徴を生かせるのがチャネルからはじめる会議です。[会議をスケジュール]と[今すぐ会議]のどちらの方法を使った場合でも、会議の情報はチャネルに自動的に投稿され、メンバーと共有できます。
会議中のチャットの内容もすべてチャネルに集約されるため、チームのメンバーなら誰でも閲覧できます。もちろん、そのチャットに添付されたファイルも、メンバーと共有されます。
チームでチャネル会議をよく利用する場合、会議用のチャネルを作成しておくのも便利です。過去の会議の情報を1カ所に集約できるのと同時に、チーム内でどのような会議が行われているかを容易に把握できます。他にも、チームのメンバーは誰でもチャネル会議に参加できるので、気になる内容の会議があれば参加してみてもいいでしょう。
社内で働いているときも、オープンな会議スペースで行われていた気になる会議に、ふらっと顔を出してみたことがあるかもしれません。そこで何か新しい情報を得たり、自身の意見やアドバイスを提供したりすることで、業務に役立つコミュニケーションが生まれることもありました。Teamsでも、チーム内でいつどのような会議が行われているかがオープンになることで、同じ効果も期待できます。
なお、チームのメンバーでないユーザーや、社外のユーザーをチャネル会議に含めることも可能です。その場合、会議中にチャットを利用できるのは、チームのメンバーのみであることに注意しましょう。社外のユーザーはチームにゲストとしてメンバー追加されていれば、チャットも利用できます。
[会議をスケジュール]で会議を作成する
事前に予定が決まっている会議は、[会議をスケジュール]を使って作成しましょう。自身が作成したり出席者に指定されたりした会議は、Teamsのカレンダーにも表示されます。
カレンダーの予定表を見ると、チャネルからはじめた会議であることを示すアイコンが表示され、どのチャネルに紐づけられている会議かを確認できます。会議の時間が近くなると[参加]ボタンが表示され、すぐに会議に参加可能です。
会議を作成したいチャネルの❶[その他のオプション]→❷[会議をスケジュール]を順にクリックすると、[新しい会議]画面が表示され、会議の件名や日時、出席者などの情報を入力できる。入力が完了したら[送信]をクリック。
チャネルに会議の予定が投稿された。
❸カレンダーに予定が追加された。会議の開始時刻が近づくと、❹[参加]ボタンが表示され、そこから会議に参加できる。
[今すぐ会議]で会議を作成する
一方の[今すぐ会議]は、チャネルの[会議]をクリックして参加するだけで、すぐに会議がはじまります。はじまった会議の情報はチャネルに自動的にメッセージとして投稿されるので、それを見たチームのメンバーは、メッセージからすぐに参加可能です。今すぐ会議は、カレンダーには表示されません。
[今すぐ会議]を開始すると、会議の情報がチャネルに自動投稿され、チャネルの一覧に会議中であることを示す❶アイコンが表示される。メンバーはメッセージの❷[参加]から、会議に参加可能。
会議でチャットを利用する
会議に参加した状態で❶[会話の表示]をクリックすると、[会議チャット]が表示される。チームのメンバーでなくても会議には参加できるが、チャットは利用できない。
会議中のチャットはチャネルの[投稿]でチームのメンバーと共有される。会議に参加していないメンバーも、あとから会議の情報を確認できる。
カレンダーからはじめる会議
カレンダーからはじめる会議は、参加者全員が会議中にチャットを利用できます。社外のユーザーが参加している場合も同様です。チームのメンバーと共有する必要のない会議や、チームのメンバー以外も参加し、会議中にチャットを利用したい場合には、この方法を使いましょう。
Outlookのカレンダーでも、Teamsのビデオ会議の予定を作成できます。このとき、メールの送信形式がテキスト形式になっていると、会議出席依頼のメールに含まれている会議参加リンクが動作しません。送信形式が「HTML形式」になっていることを確認しましょう。
[新しい会議]で会議を作成する
❶[カレンダー]→❷[新しい会議]を順にクリック。
[新しい会議]が表示された。会議の情報を入力できる。出席者に指定された人のカレンダーには、予定が登録される。チャネルの会議と同様に、会議の時間が近くなると予定に[参加]ボタンが表示され、クリックするとすぐに会議に参加できる。
[今すぐ会議]で会議を作成する
カレンダーで[今すぐ会議]を作成すると、すぐに会議がはじまります。ユーザーを会議に招待するのは、会議開始後です。ここで、他の参加者を招待しなければ、自分ひとりが参加した状態のビデオ会議になるので、あえて誰も招待しないまま、プレゼンに向けた操作の練習などに使うことも可能です。
カレンダーの[今すぐ会議]から会議に参加すると、他のユーザーを招待する方法が表示される。
会議でチャットを利用する
カレンダーからはじめた会議のチャットは、[チャット]の会話履歴に保存されます。ファイルが添付された場合は、投稿したユーザーのOneDriveに保存され、会議の参加者と共有されます。
カレンダーからはじめる会議のチャットは、❶[チャット]の会話履歴に保存される。
予定の❷[参加者とチャットする]からチャットを開くこともできる。
グループチャットからはじめる通話
グループチャットの通話で利用できる機能は、これまでに紹介した他の会議機能と大きく違いはありません。通話中に新たに参加者が招待された場合は同時にグループチャットのメンバーとしても追加され、通話終了後もチャットでコミュニケーションを継続できます。
他の会議と異なる点は、参加可能な人数が20人までと少ないことです。また、あくまで「通話機能」であるため、参加者による応答がないと開始できません。先に会議に入室しておき、他の参加者を待つのは不可能です。
他の会議機能がTeams上に会議室を作成するイメージなのに比べて、グループチャットからの通話は、その場ですぐにつながる立ち話のようなイメージです。機能が似ているため迷うこともありますが、一般的に会議であれば、チャネルやカレンダーからはじめる会議機能を利用すべきでしょう。
チャットのメンバーで会議の予定を作成する
グループチャットのメンバーで「会議」を行うには、メッセージの入力ボックスにある[会議をスケジュール]をクリックし、カレンダーからはじめる会議予定を作成します。チャットのメンバーが出席者にあらかじめ設定されているため、簡単に作成可能です。
❶[会議をスケジュール]をクリック。
[新しい会議]が表示された。出席者にグループチャットのメンバーが設定されている。なお、ここで予定された会議のチャットは、元のグループチャットとは別のチャットとして作成される。
事前に参加者を把握できるようにする
日時をスケジュールする会議は、出席者に指定された相手に会議出席依頼がメールで届くだけでなく、TeamsのカレンダーやOutlookの予定表に自動的に会議予定が登録されます。届いた会議出席依頼からは会議への参加可否を回答できるようになっており、回答すると会議の開催者に自動的に返信されます。会議の開催者が事前に参加者を把握できるよう、会議出席依頼には必ず回答しましょう。
Outlookを使うと、メールの要領で会議出席依頼を他のユーザーに転送できます。これによって、開催者でなくても会議に必要な他のユーザーを招待可能です。転送によって招待されたユーザーは、任意の出席者として会議予定に反映されるため、会議の開催者も誰が新たに招待されたのかを把握できます。
転送された会議出席依頼でも、会議の開催者に参加可否を返信できます。なお、会議の出席者を開催者のみで管理したい場合は、Outlookの会議予定の[返信のオプション]から会議出席依頼の転送を禁止しておきましょう。
カレンダーの❶予定をクリックすると、❷[出欠確認]から会議に参加するかを回答できる。
Outlookの予定表で❸予定→❹[転送]を順にクリックすると、メールの作成画面が表示され、開催者でなくても会議の予定を転送できる。
開催者以外が招待したユーザーは、❺[任意]と表示される。転送で招待されたユーザーも、参加の可否を開催者に送信可能。
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この連載記事は、インプレスの書籍『Microsoft Teams踏み込み活用術 達人が教える現場の実践ワザ(できるビジネス)』の内容に基づいています。紹介している情報は、書籍発行時点(2021年7月)のものです。