無料で使える代替手段を試してみよう

 Windows 7/8/8.1を搭載したパソコンを使っているけれど、Officeは古いバージョン(Office 2003)を使い続けている。そんなケースもあるでしょう。そのような場合、OSはそのままで、サポートが終了するOffice 2003の移行が必要です。
 しかし、費用の問題で、すぐには移行できない場合もあるでしょう。そこで、このレッスンでは、無料で利用できる代替環境を紹介します。ただし、あくまでも代替なので、大量の文書を編集したり、ゼロから文書を作ったりするにはOffice 2013を使うのが最適です。

文書の閲覧と印刷だけなら「Viewer」でOK

 Windowsが新しくても、サポートが終了したOffice 2003がインストールされていると、パソコンの安全性を保つことができません。サポートが終了したOffice 2003はアンインストールする必要があります。
 すると、パソコンに保存しているOffice文書を開くことができなくなってしまいますが、マイクロソフトが無料で提供している「Viewer」をインストールすることで、文書を開いたり、印刷したりできるようになります。Office 2013への移行のめどは立っていないけれどOffice文書を見られないのは困る、というときに活用しましょう。Office 2003の文書だけでなく、Office 2007以降の文書にも対応しています。
 Viewerは「Word Viewer」「Excel Viewer」「PowerPointViewer」の3本が別々に提供されていて、以下の「ダウンロードセンター」からダウンロードできます。
▼Microsoft Office-ダウンロードセンター
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/office.aspx

Excel文書の閲覧や印刷ができる無料ソフトウェア

ブラウザーから使える「Office Web Apps」

 文書の閲覧や印刷だけでなく、編集が必要なときは、無料で利用できるオンラインサービスを使う方法があります。OneDrive(旧SkyDrive)では、オンライン版のオフィスアプリケーション「Office Web Apps」を無料で利用でき、Word やExcel、PowerPointの文書をブラウザー上で開いて、編集することができます。マクロなどの一部の機能を除き、ほぼ同じ機能が使えるうえ、パソコンに限らず、AndroidタブレットやiPad、Windowsタブレットからも利用できるので活用してみましょう。
 Windows 8.1では、OSにOneDriveの機能が統合されていて、Microsoftアカウントを利用すると、エクスプローラーからOneDriveが利用できます。あらかじめWindows XPパソコンからOneDriveにファイルをアップロードしておけば、パソコンの移行後にOneDriveに保存した文書を開くことも簡単です。
 Microsoftアカウントをまだ取得していない人も、「○○○@outlook.com」や「○○○@live.jp」「○○○ @hotmail.co.jp」など、マイクロソフトが提供しているメールサービスのアカウントを持っている場合は、それをMicrosoftアカウントとして使うことができます。

Windows 8.1でMicrosoftアカウントを利用すると、エクスプローラーからSkyDriveのファイルを利用できる,[SkyDrive]をクリックしてファイルを表示できる

iPadの「Safari」でSkyDriveにアクセスし、Excel文書を開いておく,iPad上で文書の編集ができる

[ヒント]文書をPDFファイルにしておく方法もある

編集の必要がない文書を見たり、印刷するだけなら、環境を選ばずに表示できるPDF ファイルにしておく方法もあります。Office 2003はPDF形式での保存ができませんが、無料で利用できる「CubePDF」などのオンラインソフトを使うことで、PDFファイルの保存が可能になります。
▼CubePDF
http://www.cube-soft.jp/cubepdf/

[ヒント]「Googleドライブ」などのOffice互換サービスやソフトウェアも検討してみよう

Office Web Appsと同様の、オンライン版のオフィスアプリケーションとしては、Googleの「Googleドライブ」なども提供されています。また、無料で利用できるOffice互換ソフトもあり、「Apache OpenOffice」は、企業や自治体での導入実績もあります。費用や時間の問題で、すぐにパソコンに最新のOfficeをインストールできない場合には、これらの利用も検討するといいでしょう。
▼Googleドライブ
http://drive.google.com/
▼Apache OpenOffice
http://www.openoffice.org/ja/