この記事は、インプレスジャパン刊のムック「ネットブックまるわかり! 最新ミニノートPCガイド 2009年夏号」から抜粋し、Web用にアレンジしたものです。より詳しい内容については、上記ムックをお買い上げいただけましたら幸いです。この記事は本の紹介も兼ねています。

これからミニノートPCを買うときには、あらかじめ利用スタイルをイメージしておきたい。同じ「ミニノートPC」でも、大画面モデルの登場と主流化、重量のばらつき(1kg前後の製品から1.5kg前後の製品まで)など、製品が多様化してきているためだ。では何を具体的にイメージし、どう選べばいいのか? ここで解説しよう。

ポイント1:8.9型か10型以上か?

画面の大きさと操作性はユーザーの健康を左右する

現在のミニノートPCの主流は10型以上の比較的大きな画面を搭載しており、キーボードのレイアウトにも若干余裕がある。対して、古めのモデルは8.9型以下の小さいディスプレイで、キーボードの配置もけっこう苦しい。

大画面の方が操作が快適で、タイプミスなどでイラつくことも少ない。また、画面が大きくて視認性が高いため、目の疲れも軽減できる。

目の疲れはひどくなると頭痛や肩こりを引き起こすこともあるので、長時間利用するユーザーには非常に重要な問題だ。予算的に余裕があり、また特別な事情がないなら、大画面モデルを選択するようにしたい。


同じ解像度でも画面サイズが違えば、表示は大きくなる。画面と同時にPCの幅も広くなるため、キーボードが大きくタイプしやすい

ポイント2:重量とバッテリー駆動時間のバランス

「軽くて長時間駆動」のモデルも存在する

まずは具体的な利用スタイルをイメージしてから、製品を選びたい。最も重要なのは移動手段だ。

ミニノートPCを持って移動すること(電車・バスを含む)移動が多いなら、できるだけ軽いモデルを選びたい。反対に、荷物を載せられる車や自転車等での移動が主なら、数百グラムの重量差にこだわる必要はほとんどない。

重いモデルは大容量のバッテリーを搭載しており、長時間駆動が可能。軽いモデルは相対的にバッテリー駆動時間が短い。製品を選ぶ上で常に悩ましいポイントだが、中には、軽量な割に長時間駆動が可能な、優れたバランスを持つ製品も存在する。ただし「軽い&長時間駆動」を両立した分、価格は高めだ。


アスースの「Eee PC S101」は、省電力技術を駆使し、6時間の駆動が可能になっている。しかも1.06kgと軽量だ

ポイント3:今買うならSSDよりもHDD

SSDは過渡期。160GBのHDDを基本と考えたい

ネットブックの魅力の1つに、HDD(ハードディスクドライブ)に代わる記憶デバイスと目されるSSD(ソリッドステートドライブ)の搭載があった。

SSDは急速な大容量化・低価格が進みノートPCへの搭載も増えてきているが、ネットブックの中では劣勢ぎみだ。SSD搭載モデルの容量はせいぜい16GBで、ソフトウェアのインストールにも気を遣う。

対してHDD搭載モデルは160GBが主流で、これだけあればデジカメ写真のバックアップ用としても頼りがいがある。SSD搭載モデルの方がバッテリー駆動時間が長めで、衝撃に強い(とされる)などの特徴はあるが、よほどのこだわりがないなら、現時点ではHDD搭載機を選んだ方が使いやすいだろう。


ネットブックのジャンルでは、今は過渡期のSSD。現在の主流はHDDで、SSDに比べて安価で大容量という利点がある

ポイント4:Microsoft Officeは必要か?

仕事にも使うのなら、あらかじめ搭載モデルを

2008年にはごく一部に限られていた「Microsoft Office」搭載モデルが増えている。「Eee PC 1000H/HE」や「Aspire one D150」などでは、「Microsoft Office 2007」搭載モデルが選択可能だ。

後から買い足すよりはずっと安価に入手できるので、仕事で使う必要があるのなら、あらかじめOffice搭載モデルを選ぶようにしたい。

ミニノートPCは下書き用と割り切って「OpenOffice.org」などの無料で使えるオフィスソフトや「Googleドキュメント」のようなWebアプリケーションを利用する手もある。また、Office 2007形式の文書を表示するだけであれば、マイクロソフトが無料のビューアーを配布している。


ビジネスシーンでよく使われるMicrosoft Office。プリインストールモデルを選べば、安価に入手できる

ポイント5:初めて買う人の無難な選択肢

「軽量・大画面モデル」がお薦め

利用スタイルがイメージできない、初めてなのでよく分からないという方は、軽量・大画面モデルを選ぶことをお薦めしたい。

ノートPCに不慣れな場合、小さなモデルよりは大きなモデルの方が扱いやすい。また、できるだけ軽い方が持ち歩くときの負担にならず、それだけ利用機会も増えるし愛着もわく。

「Aspire one D150」や「Eee PC S101H」などが、以上の条件から見てバランスの取れたお薦めの機種だ。ミニノートPCはさまざまな「割り切り」をして使うべきマシンだと言われることもあるが、こうしたタイプのマシンは、割り切りを要求されることが少ない。つまり、どんな使い方をしても期待に応えてくれる可能性が比較的高いと言えるのだ。


軽量大画面モデルの代表格とも言えるのが、ASUSの「Eee PC S101H」や日本エイサーの「Aspire one D150」だ

ネットブックまるわかり! 最新ミニノートPCガイド 2009年夏号

ネットブックまるわかり! 最新ミニノートPCガイド 2009年夏号

¥819 (本体 ¥780+税)
品種名:ムック
発売日:2009/05/01発売
ページ数:80P
サイズ・判型:A4変型判
著者:小林祐一郎・芝田隆広・清水理史・坪山博貴・長畑利博・西村敦子・板東太郎・保坂陽一・村上俊一・山本倫弘