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サイトトップ» 仕事の効率化» クラウドコンピューティング » [レッスン1] 「パソコン&ソフト」から「サーバー&サービス」へ


クラウドコンピューティング

レッスン01

[クラウドコンピューティングとは(1)]「パソコン&ソフト」から「サーバー&サービス」へ

[ 2010.02.01 update]

パソコンをはじめとしたコンピューターの新しい使い方として注目される「クラウドコンピューティング」。その全容を知るために、まずは「ネットワークコンピューティング」について理解しましょう。

「クラウド」を知るには「ネットワーク」から

 ITやビジネスの分野で「クラウドコンピューティング」という言葉が話題です。この言葉は明確に定義付けられた言葉ではなく、いわゆる「バズワード」に近いものではありますが、新しいコンピューティング(コンピューターを使うこと)のイメージを端的にとらえたものとして定着し始めています。

 「クラウド(Cloud:雲)」とは、米Googleのエリック・シュミットCEO(最高経営責任者)が2006年8月に行った、次のような発言から生まれた概念を表します。

「新しいコンピューティングサービスは、
どこか“雲”の中にあるサーバーから始まる」

「PC、Mac、携帯電話など、どのようなデバイスからでも
適切な(Webブラウザーや)アクセス手段があれば利用できる」

 「サーバー」が「雲」の中にあり、どこにあるか、どのような実体なのかを意識する必要がない――。クラウドコンピューティングのもっとも重要な要素はこの点にあります。ここでは、まず「サーバー」のイメージをつかむため、「ネットワークコンピューティング」の概念を確認しておきましょう。

1台のパソコンからサーバーの活用へ

 コンピューティングの基本は、「入力」→「処理」→「出力」という流れの繰り返しです。具体的には、「数字を入力したら表計算ソフトが処理して決算書ができあがる」となります。

 これを1台のパソコンではなく、サーバーを通じて行うのがネットワークコンピューティングです。ネットワークが低速な時代は実用的ではありませんでしたが、高速なネットワークの普及により、快適に作業できるようになりました。

 ネットワークコンピューティングでは、何台ものパソコンに必要なソフトウェア(アプリケーション)をインストールするのではなく、1台のサーバーだけにアプリケーションをインストールします。そしてネットワークを通じてサーバーに接続し、サーバーから「サービス」の形で、アプリケーションが提供する機能を利用しています。

●ネットワークコンピューティングとは

管理しやすく安全でコスト削減も可能

 このようなネットワークコンピューティング環境では、1台のパソコンですべてを完結させる場合に比べ、いくつかの大きなメリットがあります。

(1)アプリケーションやデータを集中管理できる
(2)個人のパソコンの運用が楽になる
(3)パソコンの運用にかかるコスト全体を下げられる

 まず(1)ですが、例えば従業員100人の企業で全員にパソコンを支給した場合、ソフトウェアのアップデート(ぜい弱性の修正など)を行うたびに、毎回100台分の作業をしなければなりません。大変な手間がかかるうえ、作業量の多さからミスも多くなり、アップデートし忘れたパソコンがセキュリティホールになるといった危険性も高まります。

 また、個々人のパソコンに機密情報や個人情報が保存されていると、それらが漏えいするリスクも考慮しなければなりません。アプリケーションやデータはサーバーだけに置いたほうが管理しやすく、安全性も高められるのです。

 さらに、(1)の副次的な効果として(2)と(3)があります。(1)により、各自のパソコンではソフトウェアのインストールなどをしなくても、サーバーにアクセスするだけで仕事ができます。つまり、(2)のようにパソコンの運用が容易になります。

 そして、(1)と(2)によってパソコンの管理が楽になれば、IT部門の負担が軽減されることで、(3)のように人的・金銭的な運用コスト全体を下げられます。ネットワークコンピューティングを実現することで、企業のITシステム全体の構築・運用コストを下げられるというメリットが生まれるわけです。

[ヒント]「ソフトウェア」「サービス」「アプリケーション」の違い

本記事では以降、何度も「ソフトウェア」「サービス」「アプリケーション」という言葉が登場します。この3つの言葉の本書での使い分けを整理しておきます。

●ソフトウェア
CD-ROMなどの物理メディアで配布され、パソコンにインストールして利用するプログラムを明示的に指すときに使用します。

●サービス
サーバー上で動作するプログラムから供給される機能のことを明示的に指すときに使用します。

●アプリケーション
ワープロ、表計算、財務管理や会議室の予約など、特定の目的を達成するための機能を持つプログラムのことです。ネットワークコンピューティングおよびクラウドコンピューティングでは、多くのアプリケーションがソフトウェアの形態から「サービス」の形態に移行しますが、両方の形態、またはどちらの形態でもかまわないものを指すときに使用します。例えば、ワープロのアプリケーションを考えると、Microsoft OfficeのWordはソフトウェアです。CD-ROMなどからインストールを行い、パソコン上で動作します。一方、第2章で登場する「Googleドキュメント」はサービスです。Googleのサーバー上でアプリケーションが動作し、私たちはブラウザーからアクセスしてその機能を利用します。

「Googleドキュメント」の機能は、Googleのサーバーから「サービス」の形態でユーザーに提供される

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著者プロフィール

小林 祐一郎(こばやし ゆういちろう)

1972年新潟県生まれ。プログラマー、雑誌編集、Webディレクターなどを経て、現在は編集・執筆を中心に活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」。ユーザー視点から、パソコンの利用術やインターネットのコミュニティサービス利用法を研究している。近著に『できるポケット+ ミニノートPC』(インプレスジャパン)など。

ブログ:Heartlogic


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